

日本演劇史の金字塔、ついに映画化
被爆後の長崎で焼け落ちた浦上天主堂に残るマリア像を人知れず運び出そうとする2人の女性を描いた人間ドラマ。1959年に発表され、第6回岸田演劇賞、第10回芸術選奨文部大臣賞を受賞した田中千禾夫の戯曲「マリアの首 幻に長崎を想う曲」を映画化した。1945年8月9日午前11時2分、長崎市に投下された2発目の原子力爆弾。その瞬間、人口24万人のうち約7万4000人の命が奪われた。東洋一の大聖堂とうたわれた浦上天主堂も被爆し、外壁の一部を残して崩壊した。それから12年の時が過ぎた昭和32年。カトリック信徒の鹿と忍を首謀者とする一味が、浦上天主堂跡から被爆したマリア像を盗み出した。彼女たちにはマリア像を盗み出す、ある理由があった。鹿役を高島礼子、忍役を黒谷友香がそれぞれ演じ、田辺誠一、金児憲史、村田雄浩、寺田農、柄本明、温水洋一らが脇を固める。
監督:松村克弥
出演:高島礼子、黒谷友香、田辺誠一 他
2021年全国ロードショー/日本/110分

生き残ったものまでもジリジリと殺す。
これは…死の同心円だ!
実在の医師(秋月辰一郎)を主人公に据えた、核廃絶のメッセージをこめた作品として製作された長編アニメーション。
長崎上空に新型爆弾が投下され、浦上天主堂は無惨に破壊。美しい鐘を響かせていたアンゼラスの鐘は吹き飛ばされ、瓦礫の中に埋もれてしまいます。幸いにも生き残った医師・秋月と浦上第一病院(現・長崎聖フランシスコ病院)の人々は互いに助け合い、焼け焦げた病院跡で医療救護活動に立ち上がります。
監督・脚本・絵コンテ:有原誠治
ナレーション:小林桂樹
主な声の出演:伊藤健太郎、大川慶子 ほか
2005年公開/80分/日本
被爆60周年平和祈念作品
文部科学省選定
厚生労働省社会保障審議会 特別推薦作品
日本医師会推薦、日本看護協会推薦
長崎県推薦、長崎市推薦、広島県知事推奨

人間は、父や母のように、
霧のごとくに消されてしまってよいのだろうか。
1945年8月9日、広島に続き長崎にも原爆が投下されました。映画は原爆投下の前日の長崎を舞台に、原爆が投下されることを知らずに懸命に生きた人々の姿を描いたドラマです。井上光晴の小説をもとに、「美しい夏キリシマ」の黒木和雄監督が映画化。
1945年8月8日、長崎。その日結婚式を挙げる一組の夫婦。出産間近の妊婦。赤紙が届いたことで引き裂かれようとしていた恋人たち。それぞれに明日を夢見て一生懸命に生きていた……。
監督:黒木和雄
主な出演:桃井かおり、南果歩、仙道敦子、田中邦衛、原田芳雄 ほか
1988年公開/105分/日本

この空の青さが、ボクは恐いんだ!
昭和二十年八月七日、長崎医大放射線科の医師、永井隆は日増しに激しさを増す空襲に、十歳の息子・誠一と五歳の娘・茅乃を、妻・緑の母・ツモの居る木場に疎開させました。その夜、緑は診察のため長い放射線をあび、自ら命を縮めようとしている隆に休息するよう懇願するが、彼は患者が増えているからと聞き入れません。八月九日、午前十一時二分。川で泳いでいた誠一は、浦上の方で空がピカッと光るのを見ました。そして突風が津波のように押しよせてきて・・・
監督:木下恵介
主な出演:加藤剛、十朱幸代、大竹しのぶ ほか
1983年公開/128分/日本